実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「はふりぞの」(28分)
京都で生まれ育った吉田さんは小さいころに住んでいた一、二階ともに六畳間が二つある古い一軒家ですでにおかしな現象を体験していた。 誰もいないはずの二階から足音が聞こえてきたり、庭先に白い女の人が立っていたり、中でも印象的なのは大小さまざまの無数の手形が出たり消えたりする天井板だったり。 それでも不思議と恐怖心は起こらず、不思議だなと思う程度だったという。 特に霊障もなく大人になり、結婚を機に同じ京都でも精華町という町の四階建てアパートに引っ越したのだが、この新居でも怪現象は続いたそうだ。 そして、待望の子供を授かったその年、怪異は初めて恐怖を伴って牙をむいた。
「死の雲」(24分)
松井さんという女性のお母さんは、九州の小さな町で生まれ七人兄弟の五番目だった。生まれつき体が弱く、生後間もなく十歳までは生きられないだろうと医者の宣告を受けたそうだ。 父親はお母さんが生まれてほどなく漁に出て海難事故で亡くなり、母と祖母に育てられることになるが、医者にさじを投げられてしまった孫の命が少しでも永らえますようにと祖母が熱心に頼りにしたのが宗教だった。 そんな祖母の姿を見ているうちに松井さんのお母さんも神様を信心するようになり、それがきっかけして霊感が強くなったそうだ。 信心の賜物かお母さんは無事健康に育ち、結婚もし松井さんが生まれたのだが、ある日不思議な黒い雲を見ることになった。
「四ツ首 前編」(22分)
ハンドルネームで鶴さんという東北にお住いの男性の体験。 彼の生まれ育った地域は田舎だそうだが祖父母の家はさらに田舎だった。隣家との間は相当離れており、どんなに大声で騒ごうが迷惑にならないくらいだ。 大きな母屋に離れがあり、敷地も広く、防風林や蔵、先祖代々の墓までもが区画の中にあったという。自然に恵まれ格好の遊び場だったが、小学校入学を機に盆とお正月の年二回だけ憂鬱な場所になってしまう。 明治生まれの家長だった厳しいお爺さんに、お墓とお墓の横にある�爐�地蔵様″と家人が呼んでいた石柱の掃除を任されたからだ。 細長い石柱に丸い歪な石が乗せてあるだけのお地蔵さまだが、決して頭(丸い石)を落とすなと言われていた。
「四ツ首 後編」(28分)
小学校三年のお盆、法要のためにやってくる檀家になっている先のお寺の住職が来る前に例のお地蔵様の掃除をしなければいけなかった。 防風林に遮られた昼間でも薄暗い土蔵傍のお墓とお地蔵様。だいぶ慣れてきたとはいえ相変わらず緊張と、そこはかとない沈んだ気持ちで一人作業に取り掛かっていた時、風もないのに不意に土蔵の高窓がバフッと音を立てて開いたのだ。 驚いて振り返ると今度は足元にドサッ、ゴロゴロ……。触れてもいないのにお地蔵様の首が四つとも全て地面に転がり落ちている。 慌てて適当に首を石柱に戻したまでは良かったが、もしかするとそのことが後々まで罪悪感を引きづるような出来事の最初の怪異だったのかもしれない。
城谷 歩(しろたに わたる) プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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