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JMM VOL.7
村上龍
NHK出版
四六判 237頁 2000年6月発売
本体 1,200円 税込 1,320円
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IT革命のリアリティ 「価値」は「利益」に優先する
たとえば七十年代のニクソンショックやオイルショックといった衝撃的な事態に対して、これまで日本は結果的にうまく対応してきた。だが、これからも同じように結果的にうまく対応できるかどうかはわからない。九十年代のバブルの崩壊は実は冷戦の終結と重なっていた。文字通りの世界市場が誕生し、そしていつの間にかその市場はITと呼ばれる情報通信技術で結ばれていた。IT革命はすべての国民に等しく利益をもたらす、というようなアナウンスが多いが、もちろんそれは幻覚だ。ITはこれからありとあらゆる人々、組織、モノや情報を結びつけていく。そのとき、付加価値の大きいネットワークから疎外される人々が大量に発生する。そしてITの進化は、そういった人々に自分たちは疎外されているという事実を伝えてしまうだろう。そのことも「IT革命のリアリティ」だと思う。
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