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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/09/09 11:12, 提供元: フィスコ

東京通信グループ:上期のみで通期利益予想に到達する好進捗、ゲーム×占い×ファンビジネスの多面経営

*11:12JST 東京通信グループ:上期のみで通期利益予想に到達する好進捗、ゲーム×占い×ファンビジネスの多面経営
東京通信グループ<7359>は、ハイパーカジュアルゲームを中心とするメディア事業、電話占い「カリス」等のプラットフォーム事業、ファンクラブ運営・アーティストマネジメントのファンビジネス事業を中心に展開する。メディア事業は約6,500本の無料ゲームアプリ資産を持ち、月平均245本を運用する。数日・数十万円程度の低コストで開発したカジュアルゲームを広告収益で回収するモデルであり、ガチャ課金を主軸に数年をかけてIP勝負の大作を開発するソーシャルゲーム会社とは事業構造が根本的に異なる。ユーザーから課金を得るのではなく広告在庫を作って収益化する「メディア業」に近く、広告配信は電通のような代理店への営業を必要とせずグローバルに展開でき、言語対応の負担も小さい。プラットフォーム事業は、質の高い鑑定師を集めてマネジメントし、相談ニーズを持つユーザーとマッチングさせる電話占いサービスで、上場企業ではエキサイトホールディングス<5571>やLINE占い等が競合となる。ファンビジネス事業はファンクラブシステム「B4ND」を基軸にIP・アーティストマネジメントへ拡張中であり、2026年7月にはアイドルグループ「WHITE SCORPION」の所属権を事業譲受した。

同社の強みは、第一に、マーケティング力を共通基盤とした多面経営である。広告運用・ユーザー獲得のノウハウを軸に、ゲーム(広告収益)・占い(従量課金)・ファンビジネス(会費・物販)と異なるマネタイズポイントを持つ事業を並べることで、単一事業のヒット依存を分散している。第二に、カジュアルゲームにおける量産体制とヒット創出の再現性である。これまでにリリースしたスマートフォンアプリは累計約6,500本(2025年12月時点)に達し、月平均245本を運用する。豊富な開発実績から生まれたヒット再現性の高いアプリテンプレートの増産と高速開発スキーム、AIを活用した超高速開発により、少人数・低コストで開発したタイトルが数十億円規模の売上に育つポテンシャルを持つ一方、外れた場合の損失は限定的という非対称性が特徴である。実績面でも、2025年はApp Store・Google Playの無料ゲームランキングで2タイトルが第1位を獲得したほか、韓国App Store総合1位を獲得した「ダメ恋-闇彼コレクション」など海外でも実績を積んでおり、より積極的な海外配信による世界的ヒットの創出を狙う。第三に、安定収益とアップサイドの組み合わせである。プラットフォーム事業は総勢400名以上の実績ある鑑定師・カウンセラーを擁し、主力の「電話占いカリス」を中心に毎月約24,000回の相談を実施する国内有数の相談サービスに成長している。こうしたアプリ・占いの安定基盤の上に、投資フェーズ3年目のファンビジネスを含むエンタメ領域が、当たれば桁が一つ変わり得るアップサイドの武器と位置付けられている。

2026年12月期中間期の業績は、売上高約3,798百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益234百万円(同66.8%増)と大幅な増収増益で着地した。営業利益は全セグメントで二桁増益となっている。メディア事業はハイパーカジュアルゲームのヒットと運用体制の整備により四半期ベースで過去最高の売上高を更新。プラットフォーム事業は「電話占いカリス」が牽引し、過去のM&Aに伴う顧客関連資産の償却の一部が3月に予定通り終了したことでセグメント利益は大幅増となった。ファンビジネス事業も「B4ND」が安定的に利益を創出し、7四半期連続で黒字を計上。「WHITE SCORPION」に係る所属権利及び専属マネジメント契約その他関連する権利を取得し、直接的なIPマネジメント体制へ移行している。通期予想に対する営業利益進捗率は94%と、上期のみでほぼ達成〜超過の水準にあるが、下期にM&Aを含む成長投資や将来の事業拡大に向けた戦略的投資を予定しているため、通期予想は据え置いている。なお、前期の経常利益6.65億円には投資有価証券売却益約5.1億円が含まれていたのに対し、今期は本業の利益成長が牽引しており、利益の質は着実に改善している。

将来戦略では、2025年12月期を初年度とする3ヶ年の中期経営戦略として、(1)事業ポートフォリオの最適化、(2)既存事業のオーガニックグロース、(3)財務基盤の強化、(4)M&A戦略の強化、(5)既存事業のM&Aグロース、の5つのフェーズに基づく成長戦略を推進している。初年度の2025年12月期は、第1〜第3フェーズの取り組みが当初想定を上回るペースで進展して概ね完了した。ポートフォリオの健全化を計画どおり実行したうえで、2年目となる今期は、第4フェーズとなる成長加速領域への戦略的投資を重点的に推進する方針である。M&Aは、成功事例のある既存事業のロールアップ型と、隣接領域への参入を目的とした新規参入型に限定して推進する規律を設けており、戦略投資の回収目安は5〜7年として複数の候補企業についてデューデリジェンスと事業シナジーの精査を進めている。セグメント別の中長期像としては、メディア事業は日本トップレベルのカジュアルゲーム企業としての安定収益創出、プラットフォーム事業は「コンテンツ力・マッチング力・プロモーション力」を軸に相談サービスで業界トップクラスの地位を確立しつつM&Aによるロールアップを継続、新規事業では年間利益1億円を超える事業の確立を掲げる。電話占い市場(212億円)にとどまらず、「恋愛」「マッチング」を切り口とした中長期的なパートナーシップを模索し、「恋愛相談METHOD」を軸にスキルシェア市場(3.1兆円)への拡張構想も描く。こうした一連の取り組みを通じて、2030年より適用開始予定のグロース市場の新たな上場維持基準(上場5年経過後、時価総額100億円以上)への適合を強く意識し、時価総額100億円以上の安定的かつ継続的な維持を確実なものとしていく方針である。

株主還元については、現在は無配であり、配当は時機を見て検討する方針である。純利益が過去最高を更新するなか、配当開始の条件・時期が注目される。株主優待制度(2,500株以上・1年超保有でデジタルギフト年3万円分)は導入から約1年が経過しており、個人株主層の拡大に向けた施策と位置付けられる。

総じて、東京通信グループは、償却負担の剥落と全セグメントの増益により利益体質が大きく改善し、上期のみで通期利益予想に到達する好進捗となった。前期に4回の上方修正を重ねた保守的な予想スタイルを踏まえれば、下期の戦略投資を吸収してなお上振れの可能性は意識されよう。第4フェーズの戦略投資の進捗と、時価総額100億円に向けたエクイティストーリーの具体化に注目していきたい。


《YS》

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