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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/12/11 11:34,
提供元: フィスコ
日本国土開発 Research Memo(4):土木工事の知見や機械の自社開発などに強み
*11:34JST 日本国土開発 Research Memo(4):土木工事の知見や機械の自社開発などに強み
■日本国土開発<1887>の事業内容
4. 同社の強み
同社の強みは、「機械力」「災害からの復旧復興、防災減災」「バリューチェーン」「脱炭素への取り組み」「地域課題解決」などにある。
(1)機械力
「機械力」については、同社の設立目的である建設重機(マシナリー)による機械化施工の普及という祖業から継承されたDNAであり、最大の強みとなっている。マシナリーの活用による生産性の向上に力を入れており、スクレーパの導入による大規模造成工事における工期短縮・省力化を推進しているほか、国土交通省が推進するi-Constructionに積極的に取り組んでおり、土工事においてはUAV(ドローン)による3次元測量で得た地形をデジタル化することで容易に土運搬計画などの作成が可能で、重機のオペレーションの効率化に寄与している。ICT建機の標準化やスクレーパの導入、デジタルツインの活用により、人員削減及び工期短縮を図っており、コスト低減と工期削減に貢献している。
また、堤防強化などの整備工事に使われる同社独自技術の「回転式破砕混合工法」は大きな強みの1つである。同工法は円筒内で高速回転する複数本のチェーンの打撃力で地盤材料の破砕・細粒化(解砕)を行うとともに、添加材料を均一に分散させる効果を持つ土質改良工法で、水害が起こった場所で回収した土砂をその場で改良土に再生し、河川堤防強化に資材として使用することができる。これまでは現地に設置するプラント型が主流だったが、2024年に自社開発した自走型回転式破砕混合機「TMSP1800」はトレーラー1台で運搬できるコンパクトサイズで遠隔操作も可能である。狭い土地での活用、運搬コスト削減や組立期間の短縮など機動性に優れている。
この自走型回転式破砕混合機は、研究開発拠点である「つくば未来センター」が開発したマシナリーだが、同センターでは、AIやICTによる建設工事のDX・効率化などに取り組んでいるほか、自社グループで重機やシールドマシンを開発製造しており、一部は他社に販売もしている。創業から70年以上にわたり培ってきた「機械力」が同社の強みであり、他社にはない優位性を見定める1つの指標とも言える。
(2)災害からの復旧復興、防災減災
「災害からの復旧復興、防災減災」については、同社設立の経緯が戦後復興にあり、東日本大震災の復興支援などで重ねてきた知見やノウハウを強みとし、現在では「令和6年能登半島地震」の復旧工事を複数件受注しており、被災地の早期復旧に取り組んでいる。特に東日本大震災の復興事業では福島第一原発事故で放出された放射性物質の除染事業において、同社は2011年から福島県南相馬市の除染作業から除去土壌などの一時保管や減容化、中間貯蔵までの全工程を担当し、復興に貢献した。また、大津波により甚大な被害を受けた岩手県大槌町の嵩上げ工事、南相馬市の河川堤防修復工事なども手掛けている。これまでに数々の激甚災害の復旧・復興に携わった実績を生かし、それぞれの地域で想定される災害(浸水・土砂・地震・津波など)に応じた対策など、安心して住み続けられる災害に強い街づくりへの貢献に取り組んでいる。
(3)バリューチェーン
「バリューチェーン」の確立も大きな特長の1つである。関連事業(不動産・エネルギー事業)の成長とともに、土木・建築の施工請負業にとどまらず、事業の川上(開発計画などの「企画提案」)から川下(アセットマネジメントなどの「運営管理」)まで一気通貫で行う。これにより、自社だけで土地区画整理事業を展開するなど、従来のゼネコン領域を超えた取り組みを展開している。土地区画整理事業では、これまでに千葉県柏市で実施したほか、現在、宮城県松島町で工業団地「松島イノベーションヒルズ」の建設を進めている。松島イノベーションヒルズの近隣に太陽光発電所を建設中で、同発電所の電力を活用したマイクログリッド事業を計画しており、特定地域内に独立した電力供給網を構築して再生可能エネルギーを利用し、地域内に自給自足のエネルギーシステムを導入する取り組みを進めている。
(4)脱炭素への取り組み
脱炭素の取り組みでは、再生可能エネルギー事業を自社で展開している点は同社の強みであり、さらに、温室効果ガス排出量削減目標(Scope1、2及びScope3)においてSBTi(※)から2050年にネットゼロエミッションを実現する「SBTネットゼロ」の認定を取得している。
※ パリ協定の目標達成に向け、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標(SBT:Science Based Targets)の設定を支援する国際的なイニシアチブ。Scope1は事業者自身がエネルギーの使用などで発生させた温室効果ガス、Scope2は事業者がエネルギーを使用するために他社が発生させた温室効果ガス、Scope3は他社が事業者の活動に関連して発生させた温室効果ガスを対象とする。
(5)地域課題解決
地域課題解決では、全国に約1,700ある地方自治体の「地域課題解決パートナー」を目指し、これまで同社が培ってきた「環境保全」「地域活性化」「災害対策」の知見やノウハウ、技術を掛け合わせて新たな事業創出と地域共創の実現を目指している。土木事業・建築事業・関連事業を全国展開するなかで培った地域とのつながりを強みに、各地のまちづくり事業や脱炭素事業などの地域共創に生かしている。具体的には、岩手県宮古市で夜間連系太陽光発電所を建設中で、蓄電設備を活用して昼夜を問わず安定的な電力供給に取り組んでいる。岩手県釜石市では生物多様性保全のため環境に配慮した地域共生型太陽光発電を計画している。また、仙台市泉区にあった自社の遊休地を活用したアウトドアリゾート「泉ピークベース」を2022年に開業した。レストラン・天然温泉・コテージ・グランピングテントなどの設備が充実したキャンプ場として、開業3年間で約10万人が来場した。施設全エリアに無料Wi-Fiの通信環境が整備されており、自然の中で仕事や会議ができるワーケーション施設としても利用されている。「泉ピークベース」は、遊休地に新たな観光資源を創出するという地域活性化の試みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
《HN》
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