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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/30 13:08, 提供元: フィスコ

アンジェス Research Memo(8):Emendo関連費用削減により2025年12月期中間期の営業損失は大幅縮小

*13:08JST アンジェス Research Memo(8):Emendo関連費用削減により2025年12月期中間期の営業損失は大幅縮小
■アンジェス<4563>の業績動向

1. 2025年12月期中間期の業績概要
2025年12月期中間期の事業収益は前年同期比19.4%増の414百万円、営業損失は2,400百万円(前年同期比2,707百万円減)、経常損失は3,898百万円(同708百万円増)、親会社株主に帰属する中間純損失は3,966百万円(同465百万円増)となった。

事業収益は、前年同期にAnoccaから受領した契約一時金等による研究開発事業収益76百万円や「コラテジェン」の売上11百万円がなくなったことに加え、「ゾキンヴィ」の売上が前年同期比9百万円減少の142百万円となったものの、希少遺伝性疾患に関するオプショナルスクリーニング検査の手数料収入が同164百万円増加の272百万円と急増したことで増収となった。

売上原価は前年同期比55百万円増加の254百万円となった。「ゾキンヴィ」の商品仕入原価が7百万円、「コラテジェン」の製品原価が8百万円それぞれ減少した一方で、検査手数料収入の増加に伴う売上原価が70百万円増加した。なお、「ゾキンヴィ」の仕入れについては円建て決済のため、為替変動の影響を受けない。

研究開発費は前年同期比689百万円減少の1,555百万円となった。Emendoの事業再編に伴う人員の減少により人件費関連が106百万円減少したほか、前年同期に評価損を計上した反動で研究用材料費が529百万円減少した。また、Vasomuneと共同開発中の「AV-001」の治験費用減少に伴い外注費が64百万円減少した。販管費は同2,005百万円減少の1,004百万円となった。前期末にEmendoに関わるのれんを一括で減損処理したことに伴い、のれん償却額がなくなり1,668百万円の減少要因となったほか、Emendoの人員減少に伴い人件費関連が176百万円減少した。また、Emendoにおける弁護士やコンサルタント等への報酬減少により支払手数料も86百万円減少した。

営業外収支は前年同期比3,415百万円悪化した。EmendoへのUSドル建て貸付金に対する貸倒引当金の評価替えの影響により、為替差損1,491百万円(前年同期は為替差益1,916百万円)を計上したほか、Vasomuneの開発プロジェクトに関わる補助金収入がなくなったこと(同27百万円を計上)が悪化要因となった。なお、前年同期は特別損失としてEmendoの研究開発部門再編に伴う事業構造改革費用230百万円を計上していた。


2025年12月期の営業損失は計画よりもやや縮小する可能性

2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の業績は事業収益で1,350百万円(前期比706百万円増)、営業損失で5,800百万円(同3,309百万円減)、経常損失で5,820百万円(同1,717百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失で5,850百万円(同22,278百万円減)と期初計画を据え置いた。

事業収益は、ACRLにおける検査手数料収入や「ゾキンヴィ」の売上をそれぞれ約2倍増で見込んでいる。「ゾキンヴィ」については卸会社への納品のタイミングによって変動する可能性があるが、検査手数料収入については計画どおり達成できる見通しだ。Anoccaからの追加の契約一時金が下期に計上されるものの、中間期の進捗率が30.7%となっており、新たなライセンス契約などがなければ計画をやや下回る可能性が高い。

下期の費用計画については、HGF遺伝子治療用製品の米国での承認申請に向けた準備費用で研究開発費が中間期に対してやや増加するものの、その他の販管費については中間期並みの水準となる見通しだ。営業損失の通期計画に対する中間期までの進捗率は41.4%となっていることから、通期の損失額は計画よりもやや縮小することが見込まれる。一方、経常損失については期末の為替レートの水準によって変動することになるが、キャッシュ・フローへの影響はない。


当面の事業活動資金は株式市場から調達する方針

3. 財務状況について
2025年12月期中間期末の財務状況は、資産合計が前期末比1,117百万円増加の5,786百万円となった。流動資産では、第三者割当による第45回新株予約権の行使が進んだことにより現金及び預金が1,200百万円増加した。固定資産は、有形固定資産が12百万円、投資有価証券が31百万円、繰延税金資産が37百万円それぞれ減少した。

負債合計は前期末比127百万円減少の2,384百万円となった。買掛金が74百万円、リース債務が長短あわせて73百万円、事業構造改革引当金が21百万円それぞれ減少し、未払法人税等が31百万円増加した。純資産合計は同1,245百万円増加の3,402百万円となった。第45回新株予約権の行使により、資本金が1,895百万円、資本剰余金が1,895百万円それぞれ増加したほか、為替換算調整勘定が1,468百万円増加し、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が3,966百万円減少した。

同社の収益は開発ステージにあることから当面は損失が続く可能性が高い。このため、事業活動資金については株式市場から調達する方針である。2025年7月から8月にかけて第45回新株予約権の未行使分がすべて行使され、新たに1,963百万円を調達した。2025年6月末の現金及び預金とあわせると4,871百万円となり、今後1期程度の事業活動資金を蓄えたことになる。2026年以降は、HGF遺伝子治療用製品の販売パートナー契約の締結時期や契約額の規模によって変わってくる。同製品の米国での潜在市場規模が弊社の想定している1千億円以上で評価されれば、契約一時金だけで100億円以上のディールとなる可能性も十分にあり、資金面の不安は一気に解消されることになる。このため、今後のライセンス交渉や、その前段階として学術誌に掲載される臨床試験結果に関する論文の内容が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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