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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/29 15:04, 提供元: フィスコ エージェントIGHD Research Memo(4):M&A効果で大幅増収も先行投資等により営業赤字に*15:04JST エージェントIGHD Research Memo(4):M&A効果で大幅増収も先行投資等により営業赤字に■業績動向 1. 2025年12月期中間期の業績概要 エージェントIGホールディングス<377A>の2025年12月期中間期の業績は、営業収益が前年同期比226.4%増の6,275百万円、営業損失が44百万円(前年同期は91百万円の利益)、経常損失が49百万円(同86百万円の利益)、親会社株主に帰属する中間純損失が40百万円(同45百万円の利益)となった。 営業収益は、国内事業が2024年4月に買収したファイナンシャル・ジャパンの新規連結効果及び事業承継の実施に伴う事業規模拡大により前年同期比252.5%増の6,104百万円、海外事業は新規保険獲得件数や既存顧客に対するクロスセルなどが堅調であったものの、為替影響により同10.2%減の171百万円となった。コスト面は、ファイナンシャル・ジャパンの新規連結効果、業務品質及びガバナンス体制強化に向けた投資の実施などにより、人件費は同121.2%増、管理費は同348.7%増と急拡大し、営業損失は44百万円と赤字転落した。ただし、営業損益を四半期ごとに見ると、第1四半期は51百万円の損失であったのに対し、中間期は6百万円の利益と黒字転換している。下期は営業収益の積み上げによる挽回が期待される。 KPIはいずれも順調な拡大が継続 2. KPIの状況 同社は損害保険のストック型ビジネスを基盤に、M&A及び事業承継によるマーケットの拡大(顧客数の拡大)及びアップセル・クロスセルを通じた事業規模の拡大(取扱保険料の増加)を目指している。このため、(1) グループ全体の営業社員数、(2) 取扱保険料(損害保険、生命保険別)、(3) 顧客数(個人、法人別)の3つをKPIとしている。なお、弊社ではこれらに加え、(4) 合流件数(事業承継やM&Aを実施した件数)を独自にKPIとして見ている。 (1) グループ全体の営業社員数 同社は2024年12月期中間期まで「パートナー社員及び勤務型代理店数(単体)」をKPIとしていたが、同第3四半期より「グループ全体の営業社員数」に変更した。同社はM&A及び事業承継を通じて受け入れた募集人をパートナー社員もしくは勤務型代理店としている。パートナー社員は同社と雇用関係にあり同社が取り扱う生命保険商品及び損害保険商品を販売する社員を指す。勤務型代理店は個人代理店としての登録であるため、同社と同じ保険商品の販売を行うのではなく、生命保険は特定の保険会社1社のみ、損害保険は損害保険会社との委託契約を締結することにより複数社の商品の取り扱いが可能であり、活動実績に応じて保険会社から同社が受け取る代理店手数料を基に、委託契約に基づいた報酬が支払われる。 2025年12月期中間期のグループ全体の営業社員数は前期末比34人増の1,176人と拡大した。内訳は、エージェント・インシュアランス・グループが428人、ファイナンシャル・ジャパンが733人、(株)保険ショップエージェントが3人、Agent Americaが12人となった。 (2) 取扱保険料 取扱保険料とは期末時点で顧客から受け取り保有する保険料のことであり、単年度での取扱保険料の増加幅は翌年度の営業収益の増加に直結する。2025年12月期中間期の取扱保険料は前期末比217億円増の1,676億円と拡大した。うち損害保険は同42億円増の379億円、生命保険は同175億円増の1,296億円となった。 (3) 顧客数 顧客数は、個人が前期末比20,217人増の332,054人、法人が同2,186社増の26,307社と、個人・法人ともに顧客基盤が順調に拡大した。 (4) 合流件数 同社は合流件数が営業収益の拡大に直結することから、弊社は独自にKPIとしている。合流件数は2023年12月期が47件、2024年12月期は前期比15件増の62件に対し、2025年12月期中間期は43件と、順調な進捗であった。業界内では統廃合が進むなか、同社は積極的なM&A及び事業承継を継続している。2025年12月期中間期末時点の累計合流件数は636件であり、下期はさらなる件数増加が見込まれる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬) 《HN》 記事一覧 |