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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/29 12:03, 提供元: フィスコ AndDo Research Memo(3):現在は7つの事業セグメントだが、今後は5つに集約(1)*12:03JST AndDo Research Memo(3):現在は7つの事業セグメントだが、今後は5つに集約(1)■And Doホールディングス<3457>の事業概要 1. 事業セグメント 2025年6月期のセグメント別売上高構成比(内部調整前)はフランチャイズ事業が4.9%、ハウス・リースバック事業が29.8%、金融事業が0.9%、不動産売買事業が58.8%、不動産流通事業が2.2%、リフォーム事業が3.4%であった。また営業利益構成比(同)は、フランチャイズ事業が26.8%、ハウス・リースバック事業が31.6%、金融事業が2.5%、不動産売買事業が28.3%、不動産流通事業が7.1%、リフォーム事業が3.6%となっている。 2. 各事業の概要 (1) フランチャイズ事業(2025年6月期売上高3,212百万円、営業利益1,920百万円) 1) ビジネスモデル ブランド、ネットワークを必要とする中小不動産事業者や新規に不動産業に参入しようとする企業に対し、不動産業におけるノウハウ(集客戦略、IT戦略、教育研修、モチベーションアップ戦略等)を提供する事業。フランチャイジーは同社のブランドを使えるほか同社から様々な情報やアドバイスなどを得られ、同社は月会費、システム料、広告分担金などが収益となる。店舗数がKPIとなり、これを増やすことで安定的な成長が見込めるストック型ビジネスである。2025年6月期末におけるフランチャイズ事業の累計加盟店舗数は725店舗(うちFC加盟店が697店舗、直営店が28店舗)、累計開店店舗数は624店舗であった。 2) 地域別展開 2025年6月期末の地域別累計加盟店舖数は東海地域が174店舗(構成比24.0%)と最も多く、創業地である近畿地域が145店舗(同20.0%)、関東地域が130店舗(同17.9%)と続く。不動産仲介業は景気に左右されず、加盟店のさらなる拡大が見込める。そのため同社は出店余地が大きい首都圏を重点的に開拓する方針を掲げている。 (2) ハウス・リースバック事業(同売上高19,449百万円、営業利益2,264百万円) 1) ビジネスモデル ハウス・リースバック事業は、同社が売主から住宅を買い取り(所有権は同社へ移転)、売主と賃貸借契約を結ぶ。売主は自宅を売却して資金を得た後も、愛着のある住居や地域で住み続けられるほか、資金の使途、年齢、収入、対象者、対象物件に制限がなく、賃貸契約の保証人も不要である。 2) 収益構造 ハウス・リースバック事業は、買取時の事務手数料、毎月の家賃収入、売却時のキャピタルゲインと3種類の収益機会がある。物件は顧客から直接取得し、仕入額の約3%が買取時の事務手数料となる。取得翌月からは毎月家賃としてインカムゲインが発生し、年間で仕入額の約8%がリターンとなる。売却時には、諸費用及び手数料別途で仕入額の15%程度のキャピタルゲインが発生する。同事業のKPIは保有総額※と保有件数であり、2025年6月期末の保有総額は8,132百万円、保有件数は558件であった。 ※ 取得時価格の累計、退去分除く。 3) オフバランス化 ハウス・リースバック事業は従来、売主の資産を買い取るため先行投資負担が大きく、財務状況を勘案しながら事業展開する必要があったが、同社では2018年6月期より、収益拡大と保有資産の効率的活用及び財務の健全化のため、HLBファンドへの譲渡によるハウス・リースバック資産の流動化を実施している。HLBファンドからの利益分配は匿名組合投資利益という形で営業外収益として計上される。そのため、同事業の正確な収益性を見るためには、これらの数値も勘案する必要がある。 (3) 金融事業(同売上高563百万円、営業利益179百万円) 1) ビジネスモデル 金融事業の主力は、以前は不動産を担保とした貸し付け、いわゆる不動産担保ローン事業であったが、現在の主力事業はリバースモーゲージ保証事業である。リバースモーゲージとは、顧客が所有する不動産(主に住宅)を担保に、資金の貸し付け(ローン)を行う、シニア向けの金融商品である。不動産の所有者(契約者)はまとまった資金を得られ、契約期間中は利息のみ毎月支払い、元本は契約者の死亡時、または契約終了時点で、担保物件売却や預貯金により一括返済する。同社は、直接資金の貸し付けは行わず、提携先の金融機関がローンを行い、同社は手数料及び保証料を得る。さらに契約終了後の不動産処分の際にも、同社が関与することで収益が発生する。同社の持つネットワーク、知見、査定力などの総合力を生かすことで、3つのビジネス機会が生じる事業と言える。 2) 保証残高 この事業のKPIは保証残高であり、保証残高の増加は保証件数による。2025年6月期末のリバースモーゲージ累計保証残高は28,178百万円(前期末比35.2%増)、累計保証件数は2,008件(前期末比369件増)と順調に拡大している。累計保証件数に関しては、2023年1月末に1,000件を突破し、累計保証残高は2024年6月末に20,000百万円を突破した。 3) 提携金融機関 同社グループは、金融機関と提携することで、リバースモーゲージ保証のサービスエリア拡大及び残高の積み上げを進めている。2017年10月に大阪信用金庫との提携により「リバースモーゲージ保証事業」を開始して以降、リバースモーゲージ保証に対する金融機関の関心は高く、提携金融機関が順調に増加している。2025年8月14日時点(リリース日基準)の提携金融機関数は前期末比3件増の54件まで拡大している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《KM》 記事一覧 |