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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/29 12:41, 提供元: フィスコ ゼンムテック Research Memo(1):2025年12月期通期は計画どおり増収増益、3期連続で黒字確保の見通し*12:41JST ゼンムテック Research Memo(1):2025年12月期通期は計画どおり増収増益、3期連続で黒字確保の見通し■要約 ZenmuTech<338A>は、2014年3月に設立された企業で、コンピュータ利用の安心・安全を確保するソリューションを提供している。自社開発の秘密分散技術「ZENMU-AONT※1」を活用し、サイバー攻撃や端末の紛失・盗難等による情報漏洩リスクを低減する情報漏洩対策ソリューションを提供するほか、同技術を顧客のソリューションに組み込めるソフトウェア開発キットを販売している。さらに、(国研)産業技術総合研究所(以下、産総研)※2との共同研究を基にした秘密計算ソリューションを提供している。「ZENMU-AONT」は高い堅牢性に加えて、処理の高速性に特徴があり、競合技術に対して比較優位性がある。秘密分散技術・秘密計算技術はいずれも適用領域が広く、今後の利用拡大が見込まれる。同社は、2025年3月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場に上場した。 ※1 「ZENMU-AONT」方式の「AONT」はAll or Nothing Transformationの略で、分散片がすべて揃わないと復元できない、より厳格なセキュリティ性を持つ技術方式。 ※2 独立行政法人として設置された経済産業省所管の公的研究機関。 1. 2025年12月期中間期の業績概要 2025年12月期中間期の業績は、売上高が前年同期比24.2%減の304百万円、営業損失が24百万円(前年同期は139百万円の利益)、経常損失が18百万円(同139百万円の利益)、中間純損失が13百万円(同102百万円の利益)となった。 秘密分散ビジネスにおいて、大型案件の売上が下期にずれ込んだことに加え、前年同期に大型案件による一過性の売上増加があった反動により減収となった。利益面では、減収に加えて、IPO関連費用などの一時的費用の発生、将来の成長に向けた人件費や広告・マーケティング費用が増加し、営業損失以下すべての段階で損失を計上した ただし、情報漏洩対策ソリューションのライセンス数は11万人を突破し、ストック売上比率も着実に増加した。 2. 2025年12月期通期の業績見通し 2025年12月期通期の業績は、売上高が前期比31.0%増の850百万円、営業利益が同47.0%増の112百万円、経常利益が同72.5%増の145百万円、当期純利益が同102.9%増の159百万円と、期初計画どおり増収増益の見通しである。下期にずれ込んだ大型案件の売上に加えて、秘密分散ビジネスの安定的な成長と、秘密計算ビジネスの受託開発等により増収を見込む。利益面では、増収効果が費用の増加を吸収して、営業利益以下各段階で増益となり、3期連続で黒字を確保する見通しである。 3. 成長戦略 同社の成長戦略は、情報漏洩対策ソリューション・秘密分散ソフトウェア開発キット・秘密計算ソリューションの主要3ソリューションを軸に推進する。情報漏洩対策ソリューションでストック売上の積み上げに注力しつつ、秘密分散ソフトウェア開発キットでは、適用領域の拡大と新たなサービス・商品の創出に向けてアライアンスパートナーとの連携を強化する。秘密計算ソリューションでは、産総研との共同研究を通じて、技術的優位性を確立し、認知度の向上に注力するとともに、海外市場への展開も推進する。同社の秘密分散技術・秘密計算技術の適用領域は広く、各市場はいずれも十分な規模が見込める。これらの施策を通じて、中長期での成長の実現を図る。 ■Key Points ・独自開発の秘密分散技術・秘密計算技術とも優位性あり、適用領域は広い ・2025年12月期中間期は大型案件の期ズレにより各利益段階で損失を計上するも、通期では当初計画通り増収増益・3期連続で黒字確保の見通し ・同社技術の適用領域の市場は十分な規模が見込めるため、ソリューションごとの施策を通じて中長期での成長を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔) 《HN》 記事一覧 |