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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/09 11:04, 提供元: フィスコ

アクシスC Research Memo(4):中長期的な企業価値向上のため構造的転換を本格化

*11:04JST アクシスC Research Memo(4):中長期的な企業価値向上のため構造的転換を本格化
■中期経営計画

1. 長期ビジョン
アクシスコンサルティング<9344>の主要顧客が属する国内コンサルティング市場においては、DXの加速やAI技術の進展、新規事業創出ニーズの高まりなど、急速かつ複雑な変化が続くことで、戦略を構想する力のみならず、それを着実に実現する「戦略実現」の実行力へのニーズは、今後ますます高まっていくと考えられる。このようなことから、同社は2025年7月1日付でコーポレートリブランディング及びサービスのリニューアルを実施した。新たなブランドスローガン「答えは、人が出す。」を掲げ、企業理念及び提供価値の再定義を行うとともに、ロゴデザインの刷新やサービス名称の統一を通じて、さらなる事業成長と市場への提供価値の強化を図る。長期ビジョン「ハイエンド人材をあまねく活用できる社会」実現のため、人材と企業との橋渡しを役割として、人材紹介及びスキルシェアの複合サービスにより人的資本の最大化・最適化・再配置をワンストップで支援しながら、今後は「戦略実現」をコアコンセプトに据えたサービス提供体制を強化し、顧客企業の持続的成長に資する支援を拡充していく。具体的な道筋としては、人材と企業・ビジネスパートナーを集めることで「量の拡大」と「人材と案件の質の向上」を進め、人材と企業・ビジネスパートナーに対する同社の魅力を一層向上させる。加えて、より多くの人材や企業が集まるという好循環を構築して、独自のプラットフォーム型エコシステムを確立する。中長期的な企業価値の飛躍に向け同社は、現在の主力領域であるコンサルティングファーム向け人材紹介だけでなく、成長ポテンシャルの高い事業会社向け人材紹介及びスキルシェアを新たな収益の柱として育成するため、構造的転換を本格化している。


中期経営計画をローリング、2028年6月期営業利益14億円を目指す

2. 新中期経営計画
同社は構造的転換の本格化にあたり、2027年6月期を目標とする中期経営計画をローリングし、新たに2026年6月期〜2028年6月期を構造改革期とする新中期経営計画を策定し、2028年6月期に売上高112.9億円、営業利益14億円を目指す。また3年間で、合計30億円の追加投資・継続投資を戦略的に実施する計画だ。構造改革期は利益を積み上げづらい状況となるため、当初はトップラインを重視し成長を図る。


3年間で約30億円の戦略投資で、さらなる成長を図る

3. 成長戦略
3年間の戦略投資として、広告宣伝投資に約15億円、DX・IT投資に約5億円、人材投資(自社採用)に約10億円をかける予定だ。投資方針としては、広告宣伝投資では、祖業がコンサルティングファーム向け人材紹介のため知名度が低い事業会社向けに、著名タレントを起用したマス広告など認知度向上施策を展開する。DX・IT投資では、AIにより初期面談を効率化することで採用決定までのリードタイムを短縮し、紹介件数の増加を図る。また、登録人材向けポータルサイトで、人材紹介とスキルシェアのクロスセルも促進する。人材投資では、事業会社向け及びスキルシェアでの旺盛な需要を取り込むため、引き続きフロント部門の人員採用を強化する。

これにより、次の成長の柱として事業会社向け人材紹介とスキルシェアをスケールアップし、競争優位性を高める。特に事業会社向けは、現在の主要クライアントである国内主要コンサルティングファームの従業員が推定4万人のところ、年収1,000万円以上の給与所得者が推定334万人いると言われることから、より大きな市場への領域拡大ということになる。数値目標としては、事業会社向け人材紹介とスキルシェア合計の売上総利益構成比(2025年6月期33%)で、2028年6月期に約44%、2031年6月期に約63%を目指す。一方、コンサルティングファーム市場も、既にトップシェアとはいえ、中長期的に10%超の成長が期待される魅力的な市場であるため、BIG4コンサルの登録者数を2024年6月期の3,900人から2031年6月期には14,000人へと3.5倍に拡大し、シェアアップを図る。

既に新中期経営計画に沿って施策の展開を開始しており、マーケティング施策では、2025年7月より俳優の米倉涼子氏を起用したテレビCMを事業会社向けに放映し、駅広告やデジタル広告などを含めたメディアミックス戦略の展開を開始した。同社人材の拡充・育成施策では、コンサルティングファーム向けを含めてテクニカルコーチの導入やリファラルの強化などを進めた。テクニカルコーチの導入では、育成対象者にテクニカルコーチが伴走する育成支援システムをトライアル導入し、キャリアアドバイザー組織の底上げと生産性の向上を目指す。登録者獲得に向けた施策では、コンサルティングファーム向けにオウンドメディアやウェビナー、YouTubeなどによるプロモーションの強化を開始した。オウンドメディアでは、ハイエンドを含む全層へ向けて日々の情報収集に役立つ最新ビジネストレンドやキャリアノウハウなど厳選したコンテンツを発信している。ウェビナーでは、現役の若手〜中堅のコンサルタントに向けスキル深化やキャリア構築のための秘訣を提供し、YouTubeでは、現役の若手〜中堅のコンサルタントに向けてCxO・独立・副業・フリーランスといったキャリア体験談を中心に情報発信している。

なお、先行的な成功事例として(株)中国銀行があげられる。中国銀行の「東瀬戸内経済圏(岡山・広島・兵庫・香川・愛媛)の企業・自治体のほか、地域内外のスタートアップ企業とも連携し、地域の底上げを図りたい」という要望に対し、人材紹介とスキルシェアを組み合わせたクロスセル戦略を推進した。内容は、スキルシェアにより中国銀行のDXやBPR、業務改革、人材戦略をサポートするとともに、人材紹介を通じた責任者からメンバーレベルまでの正社員採用などにより中国銀行のコンサルティングファーム設立を継続的に支援、さらにスキルシェアによりコンサルティングファーム設立後のプロジェクト実行をサポートした。このため中国銀行は、コンサルティングファームを順調に立ち上げることができた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)


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