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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/03 12:05, 提供元: フィスコ 日プロ Research Memo(5):2025年5月期は上方修正値を上回る大幅増収増益で着地*12:05JST 日プロ Research Memo(5):2025年5月期は上方修正値を上回る大幅増収増益で着地■日本プロセス<9651>の業績動向 1. 2025年5月期連結業績の概要 2025年5月期の連結業績は売上高が前期比10.6%増の10,473百万円、営業利益が同19.7%増の1,144百万円、経常利益が同27.1%増の1,281百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が特別利益計上により同102.3%増の1,478百万円だった。前回予想(2025年3月31日付の上方修正値、売上高10,350百万円、営業利益1,075百万円、経常利益1,210百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円)を上回る大幅増収増益で着地した。4期連続増収増益で、売上高、営業利益とも上場来最高を更新した。 売上面は全セグメントが増収と好調に推移した。利益面では戦略的な人的資本投資によって人件費・採用費・教育費等が増加したものの、全体としての増収効果、生産性向上効果、販管費抑制効果などで吸収した。売上総利益は同11.7%増加し、売上総利益率は同0.2ポイント上昇して21.8%となった。販管費は同4.7%増加にとどまり、販管費比率は同0.6ポイント低下して10.9%となった。この結果、営業利益率は同0.8ポイント上昇して10.9%となった。なお営業外収益では保険解約返戻金が同62百万円増加(前期は21百万円、当期は84百万円)し、特別利益にはアドソル日進との業務資本提携解消に伴う投資有価証券売却益841百万円を計上した。 特定情報システムが大幅伸長 2. セグメント別の動向 (1) 制御システム 制御システムは売上高が前期比5.2%増の1,705百万円、営業利益(連結調整前)が同7.5%増の403百万円だった。増収増益と順調だった。営業利益率は同0.5ポイント上昇して23.6%となった。エネルギー関連分野では発電所監視制御システムの受注が増加した。鉄道関連分野では在来線運行管理システムが開発案件の切れ目となって減少したが、新幹線運行管理システムの開発量増加、ATOSの更新案件受注が寄与した。 (2) 自動車システム 自動車システムは売上高が同6.1%増の2,407百万円、営業利益が同2.9%増の602百万円だった。増収増益と順調だった。営業利益率は先行投資の影響により同0.8ポイント低下して25.0%となった。売上面は電動化関連が開発規模縮小の影響を受けたものの、注力しているAD/ADAS関連が複数車種一括受注により新規案件の獲得や担当範囲の拡大が順調に進展し、車載情報関連も新規案件獲得などにより堅調だった。 (3) 特定情報システム 特定情報システムは売上高が同33.7%増の1,793百万円、営業利益が同85.0%増の495百万円だった。複数の大型案件による生産性向上効果も寄与して大幅増収増益だった。営業利益率は同7.7ポイント上昇して27.6%となった。航空宇宙関連は一部案件がテストフェーズに入ったため体制を縮小したが、衛星画像関連の受注が増加したほか、危機管理関連の大型案件を当期より開始した。 (4) 組込システム 組込システムは売上高が同8.3%増の1,476百万円、営業利益が同11.8%減の267百万円だった。新ストレージ開発が前期に終了した反動で減益だが、売上面は下期より回復基調となり、通期で増収となった。営業利益率は同4.1ポイント低下して18.1%となった。ストレージデバイス開発は段階的に体制を拡大し、IoT建設機械関連も開発量が拡大した。 (5) 産業・ITCソリューション 産業・ICTソリューションは売上高が同7.5%増の3,089百万円、営業利益が同11.7%増の596百万円だった。増収増益と順調だった。営業利益率は同0.7ポイント上昇して19.3%となった。クラウドシステムが新規顧客の開拓や既存顧客からの新たな案件の獲得で好調だったほか、駅務機器開発も更新案件の受注や前期より開始した開発案件が寄与して好調だった。一方でIoTクラウドは一部開発の終了で減少、道路設備関連は保守フェーズに入ったため体制を縮小した。 財務の健全性は極めて高い 3. 財務の状況 財務面で見ると2025年5月期末時点の資産合計は前期末比1,670百万円増加して14,473百万円となった。固定資産で投資有価証券が同1,057百万円減少した一方、流動資産で現金及び預金が同1,082百万円増加、売掛金が同222百万円増加、電子記録債権が同698百万円増加、有価証券が同349百万円増加、固定資産で繰延税金資産が同315百万円増加した。負債合計は同1,038百万円増加して3,384百万円となった。主に未払法人税等が同416百万円増加、賞与引当金が同350百万円増加、その他流動負債が同251百万円増加した。純資産合計は同632百万円増加して11,088百万円となった。その他有価証券評価差額金が同410百万円減少したが、利益剰余金が同1,033百万円増加した。この結果、自己資本比率は同5.1ポイント低下して76.6%となった。自己資本比率は低下したが、引き続き極めて高い水準を維持しており、キャッシュ・フローの状況を含めて特に懸念点は見当たらない。同社は無借金経営で内部留保も潤沢である。今後は潤沢な内部留保の有効活用が課題となるが、財務の健全性は極めて高いと弊社では評価している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展) 《HN》 記事一覧 |