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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/06/23 12:01, 提供元: フィスコ トレンダーズ Research Memo(1):美容マーケティング領域に特化した戦略が奏功し増収増益*12:01JST トレンダーズ Research Memo(1):美容マーケティング領域に特化した戦略が奏功し増収増益■要約 トレンダーズ<6069>は、トレンド分析を軸に企業のマーケティング活動支援やメディア開発・ブランド開発を行っている。トレンド分析力やマーケティング技術、サービス開発力に強みを持ち、流行に敏感な女性の発信力や影響力を活用した、SNSマーケティング・デジタルマーケティング領域に特化した事業を展開している。同社は「マーケティング事業」と「インベストメント事業」の2つのセグメントに区分しており、売上高の96.8%(2025年3月期)を占めるマーケティング事業においては、主力の「美容マーケティング」と新領域となる「メディカルマーケティング」の2つを軸に事業を展開している。 1. 2025年3月期の業績概要 2025年3月期の業績は、売上高6,191百万円(前期比9.1%増)、営業利益988百万円(同25.3%増)、経常利益991百万円(同28.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(同25.2%増)と増収増益を確保した。通期業績予想の達成率は、売上高は96.0%、営業利益は98.9%、経常利益は99.2%、親会社株主に帰属する当期純利益は96.9%とほぼ達成と言える水準での着地となった。売上面は主力のマーケティング事業が堅調に推移し増収となり、利益面はマーケティング事業の堅調さに加えて、インベストメント事業において営業投資有価証券の売却益が発生し、さらに販管費を相対的に抑えたことで営業利益以下の各利益を押し上げた。マーケティング事業の売上高は同8.1%増の5,994百万円となった。美容マーケティング領域で美容カテゴリに注力したほか、インフルエンサーマーケティングに係る売上高が同22.0%増と大幅に成長し、事業のけん引役となった。インベストメント事業の売上高は同52.5%増の196百万円となった。第1及び第3四半期において営業投資有価証券の売却が発生したことで大きく増収となった。利益面では、売上総利益率は前期比で若干低下したが、販管費は(株)zenplusの子会社化に伴う業務委託費の発生(約70百万円)があったものの、広告宣伝費の減少や従業員の生産性向上等により前期比で微増に留まり営業利益率は上昇した。 2. 2026年3月期の業績見通し 2026年3月期の業績は、売上高8,700百万円(前期比40.5%増)、営業利益1,300百万円(同31.5%増)、経常利益1,300百万円(同31.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円(同33.2%増)を見込んでいる。マーケティング事業においては、引き続き美容カテゴリにおける成長を指向し、インフルエンサーマーケティング及び(株)Mimi Beautyの継続成長と、新たに子会社となったzenplusとの協業や連結効果による業績拡大を目指す。なお、インベストメント事業については営業投資有価証券の売却を見込んでいないため、減収減益予想となっている。マーケティング事業では引き続き美容カテゴリへ注力することで、売上高8,573百万円(同43.0%増)を計画している。アイスタイル<3660>との協業を進化させ、1ブランド当たりの受注額向上と取引ブランド数拡大の施策を継続する。またzenplusとの協業については現時点で具体的な施策は発表されていないが、zenplusの外資系ブランドやラグジュアリーブランドとの取引実績を踏まえれば、高い効果を発揮できる施策が期待できよう。さらに、ECモールの運営支援のほか、TikTokの新サービスである「TikTok Shop」に対応した運営支援サービス開始を表明しており、業績寄与に期待がかかる。既存対応領域では、Mimi Beautyについては2025年3月期に続き大型イベントの開催や、同メディア誕生10周年を記念する企画などで認知拡大が進んでおり、今後も美容好きのユーザーを惹きつける施策を展開する。インフルエンサーマーケティングでは、AIを積極活用し、より的確なカテゴリ分類や選定ロジック等の開発を進める。 3. 中期経営計画の変更 2024年3月期より2026年3月期までの中期経営計画を推進してきたが、2025年3月期決算とともに中期経営計画の見直しを発表した。当初計画では2026年3月期までに営業利益20億円の達成を目標としていたが、美容カテゴリ以外の取引が想定以上に落ち込んだことや、メディカルマーケティング領域の収益化が計画比で遅れていることを踏まえて見直しを決定した。新たな中期経営計画では期間を2026年3月期から2029年3月期までの4年間に設定し、計画期間中の営業利益CAGR(年平均成長率)目標を25〜30%と、2022年3月期から2025年3月期までの営業利益CAGR21%に4〜9ポイント上乗せした。この4年間で利益面でのさらなる成長を示す具体的数値を提示した。なお、計画期間中もM&Aや成長投資を積極的に行う方針のため、営業利益の目標値は設定していない。 ■Key Points ・2025年3月期は増収増益。美容カテゴリに特化した施策が奏功 ・アイスタイルとの協業が進捗、イベントプロデュース分野強化でzenplusを子会社化 ・中期経営計画を変更、2026年3月期からの4年間の営業利益CAGRを25〜30%に設定 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《HN》 記事一覧 |