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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/10/06 13:04, 提供元: フィスコ

シーラHD Research Memo(4):不動産賃貸、賃貸管理/建物管理受託、「利回りくん」運営を展開

*13:04JST シーラHD Research Memo(4):不動産賃貸、賃貸管理/建物管理受託、「利回りくん」運営を展開
■事業概要

3. 不動産管理事業
(a) 自社所有不動産の賃貸、販売後の賃貸管理/建物管理の受託
不動産管理事業はシーラがPM(プロパティマネジメント)、BM(ビルディングマネジメント)、AM(アセットマネジメント)を包括的に提供し、長期的・安定的なストック収入(岩盤収益基盤)としてシーラホールディングス<8887>の収益を支えている。2025年5月末時点で賃貸用自社所有不動産(シーラと旧 クミカの合計数値、商業用ビルやレジデンスなど)の保有棟数が21棟、保有戸数が475戸、保有資産が約260億円に上る。賃貸管理/建物管理の累計管理戸数は4,016戸、入居率が99.7%(自社ブランド「SYFORME」シリーズの入居率は99.8%)となった。同社は東京都心を中心に100棟を超えるマンション・ビルの建物管理を手掛け、賃貸マンションでは立地やニーズにあわせた企画・開発、入居者への24時間対応サポートなど、きめ細やかなサービスを提供することで高い入居率を維持している。ビル管理においても、設備保守から清掃・警備まで一貫したサービス体制を構築し、資産価値の維持・向上に貢献する。2024年にはBlackRockの私募ファンドより複数物件のPM・BMを受託した。

なお、オンライン不動産賃貸仲介アプリ「ietty」は、スマートフォンで物件案内から内見、賃貸契約までワンストップで行える。賃貸仲介プロセスを効率化して全物件仲介手数料を通常の半額で提供するほか、ポータルサイトに出ていない物件も検索できる。これにより、20代から30代の若者を中心に利用者が拡大している。「ietty」の会員登録者数は、2024年3月に30万人、同年5月には40万人を超え、国内最大級の会員数となった。今後は、自社ブランド「SYFORME」シリーズの入居率向上や、不動産小口化商品「利回りくん」との相互送客を進めることで、グループシナジーをさらに高める方針だ。

(b) 「利回りくん」関連事業
「利回りくん」関連事業はシーラが不動産クラウドファンディングプラットフォーム「利回りくん」を運営している。不動産投資型クラウドファンディングは、複数の投資家から資金を集め、その資金で不動産を取得して運営し、売却益や家賃収入などの利益を投資家に分配するものである。運用資産の評価額が下落した場合は、劣後出資者として投資に参加している運営会社の出資金から下落額が補填される。出資金全額をもっても補填できない場合には、優先出資者(投資家)の元本が減少する仕組みとなっている。このため、投資家の出資金がゼロになるリスクのある融資型クラウドファンディングや株式投資型クラウドファンディングなどに比べて、優先出資者の元本の安全性が高いという特長がある。

「利回りくん」はシーラが劣後出資者となってファンドを組成し、対象物件/募集金額/予定利回り(家賃収入や売却益などから得られる期待リターン)/分配時期/運用期間などを提示して投資家からの出資を募集する。これらは投資対象物件によって異なり、ファンドの資産は組合の種類によってシーラのバランスシートからオフバランスされる。2021年6月のサービス開始以降は、1口1万円から投資できる手軽さに加え、2021年12月に楽天ポイントとの連携を開始したことが後押しとなり、登録会員数が急増した。サービス開始から2年で累計会員数が国内最大となり、世界でも有数の不動産クラウドファンディングプラットフォームへ成長した。

アセットマネジメント事業の収益は、主に手数料収入(アクイジションフィー/マネジメントフィー/エグジットフィー)で構成される。「GMV(累計組成額)×テイクレート平均5〜6%」(=売上総利益)で算出され、ここから営業費用を差し引いた金額が継続事業からの営業利益となる。このビジネスモデルは、ファンドのGMVまたはAUM(運用資産残高)の拡大に伴い、営業費用を吸収して継続事業からの営業利益が拡大する仕組みである。継続事業からの営業利益率も上昇する構造である。なお、同社の広告宣伝費等の会員獲得コストは、楽天ポイントとの連携効果などにより、一般的なクラウドファンディングに比べて低くなっていることも特長である。

また「利回りくん」はサービスコンセプトに「社会貢献、地域創生、誰かの夢や挑戦を応援」を掲げ、不動産投資を身近な資産形成手段として選択される社会の実現を目指している。対象不動産はシーラが不動産デベロッパー事業で開発・販売する物件に限らず、住居・商業施設・ホテル等に加えて、全国の再生可能エネルギー関連や地域活性化関連の応援ファンドなど多岐にわたる。具体的な組成ファンドの例として、宇宙事業開発を行うインターステラテクノロジズ(株)が開発・製造する超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の応援型ファンドとして、開発・製造施設を対象不動産とする「大樹町ロケット」ファンド(第1号〜第3号)を組成した。また、犬猫殺処分ゼロ社会を目指す活動を支援する応援型ファンドとして、犬猫共存型マンション「イヌネコヒルズ」ファンド(第1号〜第5号)を組成した。さらに、100%再生エネルギーによるサステナブルな太陽光データセンターを支援する応援型ファンドとして、グループ企業であるシーラソーラーが運営開始した太陽光データセンター「ABURAJIMA」ファンドも組成した。

「利回りくん」の主要KPIは以下のとおりである。2025年5月末時点で、累計会員数は約28万人、1人当たり平均累計投資額は149.8百万円、累計調達額は12,544百万円、累計組成ファンド数は124件、累計償還ファンド数は93件となっている。自社サービス「ietty」との相互送客、アプリリリースによるUI/UX改善、「利回りくんコイン」の導入などによって利用会員数、投資額が増加基調にある。なお、累計会員数は2024年以降はやや横ばい傾向にあるが、これは新規会員の獲得よりもアクティブ会員の増加に注力しているためであり、1人当たりの平均累計投資額は順調に増加している。また募集金額1億円以上の大型ファンドの組成も増加傾向にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



《HN》

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