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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/29 12:43,
提供元: フィスコ
ゼンムテック Research Memo(3):秘密分散ビジネスを中心に、ストック売上を着実に積み上げ
*12:43JST ゼンムテック Research Memo(3):秘密分散ビジネスを中心に、ストック売上を着実に積み上げ
■事業概要
ZenmuTech<338A>の事業は3つの分野に大別できる。1つ目は、情報漏洩対策ソリューションや秘密分散ソフトウェア開発キットを提供する「秘密分散ビジネス」、2つ目は、秘密分散技術を応用した秘密計算ソリューションを提供する「秘密計算ビジネス」、3つ目は、「その他」で、創業時からのシンクライアント関連ビジネスなどである。販売形態は直販も行っているが、主に販売代理店や大手SIer※を経由している。2025年12月期中間期の売上構成比は「秘密分散ビジネス」が全体の約7割、「秘密計算ビジネス」が約3割を占める。
※ SIer:顧客の要望に応じて、ソフトウェアの設計や運用、コンサルティングに至るまで様々な仕事を請け負う企業で、システムインテグレーターの略称。
事業モデルは、サブスクリプション契約や保守契約のストック型売上と、ライセンス販売や開発受託のフロー型売上の両輪で構成され、事業の安定性と成長性を両立している。2023年12月期第4四半期や2024年12月期第2四半期など、大口ライセンス契約があった際には、フロー型売上比率が一時的に高くなるものの、ストック型売上は着実に増加しており、2025年12月期第2四半期はストック型売上比率が70%を超えた。
市場環境としては、リモートワークの定着やデータ利活用需要の拡大を背景に、金融・コンサルティング・製造業など幅広い業種で同社のソリューション採用が進展している。今後は、秘密計算ビジネスの本格展開やZVDの拡販により、ストック型収益比率の一層の向上を目指す。
情報漏洩対策ソリューションのライセンス数は着実に増加し、11万人を突破
1. 秘密分散ビジネス
(1) ZVD
ZVDは秘密分散ビジネスの主力となる情報漏洩対策ソリューションで、ZPCやZEEといった商品の総称である。PCや各種デバイスのデータを、秘密分散技術を使って分散保管し、分散片を外部で管理する仕組みである。保管先においても、高価なストレージやサーバーの追加投資が必要ない。また、操作も簡単で快適に利用できる商品である。仮に、デバイスが紛失・盗難に遭ったとしても、ユーザー自身や管理者が分散片へのアクセスを停止すればデータを復元できないため、PCの社外持ち出しやリモートワークの際に情報漏洩を防ぐ有効な対策となる。
従来のVDIやDaaS※と比較し、サーバーやネットワークの負荷が小さく、導入・運用コストを低減できることが特徴である。オフライン環境でも利用でき、ネットワーク接続状況に左右されない安定した性能を提供する。
※ DaaS:Desktop as a Serviceの略称で、個人のデスクトップ環境をクラウド上から仮想のデスクトップとして提供するサービスのことである。
ZVDの契約形態は、サブスクリプション(ストック型)と、買い切りライセンス(フロー型)がある。買い切りライセンスの販売時にフロー型売上を計上した後は、保守契約としてストック型売上に移行するビジネスモデルである。サブスクリプション契約と保守契約を合わせたライセンス数は、2025年6月末時点で11.1万件を超えた。また、解約率は1%程度で推移しているが、同社では適正範囲内としている。なお、これまでの解約は、テスト導入された契約が本採用に至らなかったものが大半であり、業績への影響は軽微である。
2025年には、新製品のZLEを投入し、VDIやDaaSを利用したまま低価格で導入できる選択肢を提供した。また、大規模災害時の事業継続性向上を目的とした「ディザスタリカバリ オプション」も追加するなど、企業のニーズに応じて商品ラインナップを拡充した。
(2) ZENMU Engine
ZENMU Engineは、ZENMU-AONTを顧客の製品やアプリケーションに組み込むための秘密分散ソフトウェア開発キットである。OEM提供を前提とし、顧客企業はこの商品を使って自社ソリューションのセキュリティ機能を強化できる。利用例として、暗号資産などを扱うデジタルウォレットの秘密鍵保護や防犯・監視カメラ映像の分散保管などに用いられており、今後はさらに用途が広がることが期待される。
(株)日立システムズエンジニアリングサービスは、「ZENMU-AONT」を組み込んだ防犯・監視カメラを販売している。個人の顔が識別できる映像データは個人情報に該当し、漏洩・盗聴・搾取のリスクが高いが、同社の秘密分散技術によって映像データを分散保管することで、セキュリティ強化を実現した。
収益モデルは、顧客の利用目的に応じたライセンス収入(フロー型)や、ライセンス販売後の保守契約収入(ストック型)が中心である。さらに、OEM製品開発の際の技術支援コンサルティング料や、OEM商品の収益に応じたロイヤルティ収入も見込んでいる。
実証実験やパートナー開拓が進捗
2. 秘密計算ビジネス
秘密計算ソリューションのQueryAheadは、データを秘匿化したまま計算・通信・保存を可能にする仕組みである。同社では、秘密計算を適用できる分野やアプリケーションを検証している段階にあるが、主なターゲットは金融、製造・物流などのサプライチェーン、材料開発、ヘルスケア分野などが挙げられ、特に、AI・機械学習分野での活用余地が大きい。
同社は現在、QueryAheadを利用した実証実験やパートナー開拓を進めており、今後はライセンスビジネス及びクラウドサービスモデルを通じた収益化を目指している。
3. その他
創業期から提供しているシンクライアント関連サービスを扱い、既存顧客の更新需要や代理店案件を中心に、少額ながら安定的な収益を生み出している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
《HN》
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