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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/07/09 15:06,
提供元: フィスコ
フタバ Research Memo(6):2025年3月期は国内・中国で苦戦し減収減益
*15:06JST フタバ Research Memo(6):2025年3月期は国内・中国で苦戦し減収減益
■業績動向
1. 2025年3月期の業績概要
フタバ産業<7241>の2025年3月期の連結業績は、売上高7,071億円(前期比11.1%減)、営業利益151億円(同21.0%減)、経常利益132億円(同28.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益62億円(同51.6%減)と減収減益となった。得意先の自動車生産台数の減少により受注量が減少したため期中に期初業績予想を下方修正したが、売上高、営業利益は同年1月の修正予想をそれぞれ71億円、1億円上回った。市況変動に応じて材料の仕入れ単価と連動して売価の材料費分が同額変動する材料建値変動(利益には影響しない)で24億円の売上高減少があり、加えて海外子会社の財務数値の為替換算レートが前期より円安となり100億円の売上高増加があったため、外的要因で売上高がネットで76億円増加した。したがって、外的要因を除いた実質的な売上高(支給品を除く)は4,346億円と、前期を150億円下回る結果となった。
セグメント別の売上高(支給品除く)では、中国が同12.4%減と2ケタの減収となった。BEV化の進展、日系車の販売苦戦、価格競争激化など受注環境が悪化している。また、日本、欧州も得意先の販売台数減少などにより、それぞれ同3.9%減、同6.7%減となった。一方、北米は為替が円安に振れたこともあり同11.6%増、アジアはインドの成長に支えられ同10.9%とそれぞれ2ケタの増収となった。
営業利益は、生産の合理化改善56億円(損益分岐点改善活動、生産指標の一番良い拠点の取り組みをグローバルに横展開するベストプラクティス活動、ラインの寄せ止め・2直化による稼働率向上などによるコストの低減)や減価償却費の減少43億円等で増益要因147億円があったが、材料費・労務費・経費の増加90億円や生産量の減少に伴う利益の減少68億円等の減益要因187億円もあって前期比40億円の減益となった。経常利益はデリバティブ評価益7億円など営業外収益を27億円計上するも、海外子会社への貸付金等にかかる為替差損18億円や海外子会社の希望退職金を事業構造改善費用7億円として計上するなどして営業外費用46億円を計上したため、前期比52億円の減益となった。特別損益では、中国天津地区の生産拠点集約の決定に伴う事業再編損26億円、中国広州拠点の減損損失25億円を計上したが、財務的に余力が残る形で中国でのBEV化、価格競争激化などによる今後の受注減少トレンドへの対策を躊躇なく講じることができたと言えよう。中国天津地区の生産拠点集約は、天津地区に1工場ずつ保有する天津双協機械工業有限公司(「天津双協」、従業員数335名(2024年3月末時点)、ボデー、足回り部品)と天津双叶協展機械有限公司(「天津双叶」、従業員数569名(2024年3月末時点)、ボデー、足回り、排気系部品)のうち、天津双協の生産を2025年8月に停止し、天津双協から天津双叶へ生産移管、経営資源を集約し、生産拠点の最適化を図る取り組みである。
セグメント別では、日本と北米は部品事業の減収による利益減少と材料費・労務費・経費の増加が大きく、価格転嫁と合理化改善では賄いきれないため、それぞれ38億円、7億円の減益となった。中国では部品事業の減収と売価変動による減収が大きいが、一方で材料費・労務費・経費が減少し、合理化改善も大きいため利益の増減はトントンとなった。また、欧州、アジアでは材料費・労務費・経費の増加幅が小さく、合理化改善効果も出たため、それぞれ3億円、4億円の増益となった。
2. 財務状況と経営指標
2025年3月期末の資産合計は前期末比208億円減少の3,139億円となった。流動資産は同70億円減少し1,464億円となった。現預金が113億円減少し、売上債権が6億円、棚卸資産が11億円それぞれ増加した。固定資産は137億円減少し1,674億円となった。有形固定資産が47億円減少したほか、投資その他の資産が投資有価証券の売却や評価益の減少、株価の影響を受けた退職給付に係る資産の減少などにより91億円減少した。一方、長期借入金の返済119億円や繰延税金負債が22億円減少したことなどにより負債合計は同131億円減少した。純資産は同77億円減少し、1,231億円となった。利益剰余金が28億円増加したが、株式市場と為替相場の変動等により、その他の包括利益累計額が96億円減少し、非支配株主持分も9億円減少した。純資産は減少したが、キャッシュ・フローで有利子負債をネットで66億円返済し、負債を大きく圧縮したことから、自己資本比率は37.5%と前期末を0.3ポイント上回った。有利子負債比率(DEレシオ)は0.4倍と前期末の0.5倍を下回り、新中期経営計画での成長投資拡大に向けた準備が整ったと言えよう。
営業活動によるキャッシュ・フローは247億円の収入となったが、投資活動によるキャッシュ・フローが設備取得に伴う支出が増加したため231億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは15億円の収入となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金を59億円返済したほか、配当金の支払い33億円により103億円の支出となり、期末の現金及び現金同等物の期末残高は132億円と前期末比109億円減少した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
《HN》
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