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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/07/03 13:35,
提供元: フィスコ
ムサシ Research Memo(5):選挙サイクルに左右されない分野を一段と強化し、収益基盤のさらなる安定化を図る
*13:35JST ムサシ Research Memo(5):選挙サイクルに左右されない分野を一段と強化し、収益基盤のさらなる安定化を図る
■中長期成長戦略
今後のムサシ<7521>の事業展開では、特に文書のデジタル化事業、業務用ろ過フィルター事業、印刷システム機材、金融・汎用システム機材、選挙システム機材の5分野に注力して業績を伸ばす方針だ。特に以下の分野・製品に注力していく。
また同社では、2025年6月27日付で、代表取締役社長がそれまでの羽鳥雅孝(はとりまさたか)氏から小野貢市(おのこういち)氏に交代した。小野氏は初めての創業家以外の出身社長であり、今後の展開が大いに注目される。
1. 文書のデジタル化事業
今後は以下のような要因で、需要サイドからも文書のデジタル化事業の拡大が期待できる。
(1) 民間企業の需要
民間企業では、コロナ禍の影響で在宅勤務が急増し、テレワークへの移行が進んだ。テレワークの環境整備が進むにつれて、文書や資料の電子化需要が拡大したが、アフターコロナでもこの流れは継続している。さらに以下のような法的整備の面からも、文書のデジタル化は必須となってくる。同社ではこれらの需要を取り込むべく、営業活動を強化している。
(2) 官公庁・自治体の需要
官公庁・自治体においても、「デジタル庁」の新設など政府が行政のデジタル化に向けて積極的な取り組みを進めており、文書や図面、資料などの電子化需要の拡大が見込まれている。政府の発表では、2026年度を目途に公文書の管理は全面的に電子化する目標となっている。実際には、官公庁や各自治体の職員が作成する文書はほぼ紙のため、そのまま紙で保存されているが、それらを電子化することで、分類や整理をする手間が大幅に省けるようになるため、大きなメリットがある。よって、行政のデジタル化推進のため、文書などの電子化に対しては優先的な予算が見込まれており、同社としても積極的に営業活動を展開する計画だ。
独自開発システム「RoDA」でデジタルアーカイブ分野へも展開
(3) デジタルアーカイブへの展開:「RoDA」の活用
同社は、文書のデジタル化事業で蓄積した経験と技術を生かしてデジタルアーカイブシステム「RoDA(ローダ)」を独自開発している。この「RoDA」を使うことで、様々なスキャナー・デジタルカメラで作成された高精細な画像を効率的に圧縮し、高精細なままストレスフリーでの閲覧が可能になる。
貴重な文化遺産をインターネットに公開することで、一般の利用や研究の連携を促進したいとのニーズは多いが、「RoDA」を使うことで、これらのニーズに対応することが可能になる。さらに資料を電子化することで、スローファイアー(酸性紙劣化)による破損や散逸の危機から守ることができる。また同社では、システム開発から運営管理、コンテンツ作成までを一貫してサポートしており、ワンストップでユーザーの問題解決ができるのも特長だ。
また「RoDA」は、美術館や博物館、図書館などで所蔵されている貴重な文化資産だけでなく、災害や身近な生活記録、企業保有のデジタル資産などを「次世代に伝承する」ためのツールとして様々な分野で導入され始めており、今後の展開が楽しみである。
2. 業務用ろ過フィルター事業
同社は、富士フイルム(株)の業務用ろ過フィルター「ミクロフィルター」の販売代理店事業を展開している。
富士フイルムの「ミクロフィルター」はこの市場では後発組(先発は主に外資系企業)であるが、独自の非対称膜構造による優れたろ過機能やロングライフ(長寿命)をセールスポイントに着実に販売を伸ばしている。同社の事業は2018年1月にスタートし順調に拡大してきた。残念ながら2021年3月期はコロナ禍の影響により売上高は落ち込んだが、2022年3月期の売上高は、647百万円(前期比20.0%増)、2023年3月期は698百万円(同7.9%増)と回復した。2024年3月期は半導体業界の影響を受けて593百万円(同15.0%減)となった。しかし2025年3月期は、再び半導体業界を中心に需要が回復し、売上高は732百万円(同23.4%増)となった。進行中の2026年3月期は、米国関税による半導体・電子部材向けの影響を踏まえ、688億円(同6.0%減)と予想している。需要がこれまでの食品・飲料向け中心から、半導体向けなどのエレクトロニクス業界向けに広がりつつあることは注目に値する。
3. 印刷システム機材
デジタル化の流れやインターネット通販事業者の台頭などにより、印刷需要低迷と販売価格の下落など厳しい事業環境にあるため、同社は収益力の改善を主眼に置いた業績の回復を図っている。
(1) オリジナル商品の販売に注力
a) 「多目的プリンター」(T3-OPX)
プリンターヘッドの高さが自動で調整されることで様々な厚みに対応し、多種多様な材料に出力が可能である。具体的には、段ボール素材、紙袋、和紙、不織布、木箱など様々な素材や高さがある成型済み素材への印刷が可能となった。ブランドオーナー向けの次世代プリントソリューションとして多くの需要が期待できる。
b) カッティングプロッター「FB9000PRO」
カッティングプロッターとは、シート状の素材をペン状のカッターで図柄に合わせて自由な形状にカットする機械のことである。パッケージ、POP、シールなどショップの販促物や製箱など様々な用途に活用できる。
c) 自社開発 業務管理ソフト(M BOOSTER)
見積もりから納品まで印刷業のすべての工程を一貫して管理するソフトウェア。インターネットブラウザ上で作業でき、専用ソフトをインストールせずに使い始めることができる。また、それぞれの工程にかかる原価も管理することができるため、同社はこのソフトによって印刷会社のDXをサポートしていく。
4. 金融汎用システム機材
(1) 「オペレーションリスク対応」として注力するセキュリティ機器の拡販
近年、金融庁は既存のリスク管理や地震などのリスクを想定したBCPだけでは、金融システムにとって重要な業務を提供し続けることができないおそれがあるとして、外部委託業務や連携サービスを含めた業務プロセス全体の包括的な態勢整備によって、オペレーショナルリスクに対応するよう指導をしている。
同社は、オペレーショナル・レジリエンスを確保するためのセキュリティ機器の拡販に注力する。特に、「通帳・証書管理機」「精査格納ボックス」「鍵・カード管理機」などの拡販を図る。
(2) 「集中処理センター」向け管理システム
金融機関の「集中処理センター」向けに、下記のような様々なシステムを開発しており、今後はこれらを総合的に利用した「提案型営業」を推進していく。
○ 口座振替システム
口座振替依頼書等のイメージ入力を事務センターで行い、営業店クライアントで一括検索する金融機関向けシステム。
○ イメージファイリングシステム
営業店で受け付けした手形・小切手・伝票・各種申込書など様々な書類のスキャニングデータを集中センターで集約連携するシステム。
○ 債権書類管理システム
ICタグによって書類や書籍など文書の現物を管理するシステム。ポータブルリーダーでタグ情報を読み取ることで、棚卸作業時間を大幅に短縮。
(3) 「BPO※サービス」の拡販
金融機関向けには、機器類の販売だけでなく、下記のアウトソーシングサービスも積極的に拡販していく。
○ 為替集中業務アウトソーシングサービス
○ マイクロフィルムをPDFや画像データに変換するサービスやマイクロフィルムスキャナーの拡販
※ Business Process Outsourcingの略。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《HN》
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