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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/30 14:32, 提供元: フィスコ きちりHD Research Memo(2):都市型ダイニング業態とモール・郊外型レストラン業態を展開する外食企業*14:32JST きちりHD Research Memo(2):都市型ダイニング業態とモール・郊外型レストラン業態を展開する外食企業■きちりホールディングス<3082>の事業概要 1. 事業内容 同社グループは、主要子会社の(株)KICHIRIを中心に、自社開発業態による飲食事業(売上構成比9割超)を主に直営で展開している。また、DXコンサルティング事業として、採用の効率化を図る採用DX事業や地方創生事業を手掛けている。加えて、子会社の(株)ApplyNowでは、ハイブリッドAI面接サービス「Interview Cloud」や録画型Web選考サービス「ApplyNow」といったクラウド型サービスの開発・販売、導入支援を展開している。そのほか、国内で「Plataran」ブランドの飲食事業を行う(株)ユニゾン・ブルー、インドネシアで「いしがまやハンバーグ」やティー専門店「CHAVATY」の展開を行うPT KICHIRI RIZKI ABADIなどが連結対象子会社となっている。 (1)飲食事業 飲食事業では主に「KICHIRI」を中心とした都市型ダイニング業態、ハンバーグ専門店「いしがまやハンバーグ」や韓国料理専門店「VEGEGO」を中心としたモール・郊外型のレストラン業態、カフェ・テイクアウト業態などを自社開発し展開している。2025年6月期末時点の店舗数は139店舗(FC除く)となっている。2022年6月期以降、コロナ禍の影響が一段落し、客足の回復が早かったモール・郊外型レストラン業態を中心に出店を拡大した。その結果、2025年6月期末には同業態の店舗数が70店舗に達し、全体の5割を占めるまでになった。 都市型ダイニングの主力業態である「KICHIRI」は、関西圏と首都圏で36店舗を展開している。女性客を主なターゲットとし、高品質な料理と洗練された空間を演出する店舗づくり、「おもてなし」を重視した接客が特徴である。2002年に神戸で第1号店を出店し、関西圏で高い支持を得た後、2006年に首都圏に進出した。出店条件は、1日の乗降客数が2万人を超える主要駅に隣接する施設の空中階としている。関西圏では、平均客単価で3,000円台と比較的低価格帯の「Casual Dining KICHIRI」(29店舗)を展開し、20〜30代の若年層をターゲットにしている。首都圏では、平均客単価5,000円前後で企業の接待ニーズにも対応可能な「新日本様式KICHIRI」(7店舗)を展開している。 モール・郊外型レストラン業態では、2010年に首都圏で初出店した「いしがまやハンバーグ」が主力業態となっている。契約農場から厳選仕入れした高品質な牛肉を100%使用したハンバーグ専門店で、平均客単価は2,000円台に設定されているが、集客力が高いため「ららぽーと」などの大型ショッピングモールを中心に出店を拡大しており、2025年6月末時点で国内店舗数は40店舗(うち、FC3店舗)となっている。また、2018年に初出店した韓国料理専門店「VEGEGO」は、ご飯・麺、肉料理、スープ等を複数の種類から選択可能とし、惣菜も日替わりでメニューを変更するなど、オーダーメイド型で提供している。平均顧客単価が1,500円程度で、女性客を中心に支持され、2025年6月末の店舗数は19店舗とここ2〜3年で店舗数を拡大している。高い集客力に加え、居抜き出店が可能なため出店準備期間が短く初期投資額も抑えられることから、「いしがまやハンバーグ」と同様に高い収益力を実現している※。さらに、2021年には焼肉専門店「肉の満牛萬」を初出店した。同社で初のロードサイド型店舗となり、客足を順調に伸ばし2025年6月末で3店舗を首都圏に展開している。 ※ 「VEGEGO」の居抜き出店率は2023年6月期までの実績で71%となっている。出店準備期間は新規出店が約12ヶ月かかるのに対して約3ヶ月に短縮できる。初期投資額も新規出店の55百万円に対して19百万円に抑えることが可能となっている。 同社は、テイクアウト業態を含めた多様な業態を開発・展開している。これまで培ってきた店舗運営ノウハウを海外市場に展開するため、インドネシアの子会社で「いしがまやハンバーグ」4店舗、ティー専門店「CHAVATY(チャバティー)」1店舗をそれぞれ展開している。 (2)DXコンサルティング事業 DXコンサルティング事業では、地方創生事業と採用DX事業を展開している。地方創生事業は2023年4月より開始した事業で、ふるさと納税寄付に関する業務(返礼品提供事業者への対応や返礼品代・送料の支払い代行、各種プロモーション等)を受託する。飲食事業で培った商品開発力を生かし、返礼品となる地域特産品のプロデュースやブランディングを手掛け、ふるさと納税寄付の獲得や地場産業の活性化を支援している。現在の受注自治体数は7自治体となっている。 子会社のApplyNowが展開する採用DX事業では、自社開発したハイブリッドAI面接サービス「Interview Cloud」を主力に、録画動画による応募・選考サービス「ApplyNow」、電子雇用契約サービス「ApplyNow Sign」などを企業や自治体などに提供・販売している。特に「Interview Cloud」は、累計導入店舗数が3千店舗を超える。料金体系は、導入時の初期費用に加え、従量課金制(1面接当たり980円〜)となっている。24時間、365日面接が可能で、応募者自身で面接日程が設定できるなど、利便性やコスト面での優位性あり、アルバイトの採用コストを抑えたい外食・サービス企業を中心に導入が進んでいる。「Interview Cloud」は、BtoB向けIT製品/SaaSのレビュープラットフォーム「ITreview(アイティレビュー)」(運営:アイティクラウド(株))で開催している「Itreview Grid Award 2025 Summer」において、Web面接部門の「Leader」※を連続受賞するなど、業界でも高い評価を得ている。 ※ 「Leader」は、顧客満足度と認知度の双方に優れ、ユーザーから高い評価を得ているプロダクトに贈られる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《KM》 記事一覧 |