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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/30 11:04, 提供元: フィスコ アクシス Research Memo(4):金融機関向けを主軸とするシステムサービス事業が売上の9割超を占める(2)*11:04JST アクシス Research Memo(4):金融機関向けを主軸とするシステムサービス事業が売上の9割超を占める(2)■アクシス<4012>の事業概要 3. ITサービス事業 ITサービス事業は、将来の成長ドライバーとして注力するセグメントであり、クラウド型サービスの提供を主軸としている。具体的には、自社開発の運行管理システム「KITARO」の提供、及び中小企業のDXを支援するコンサルティングサービス「まるっとアクシス」、「ITサポート」などの事業を展開している。2025年12月期中間期における売上高は206百万円(全社売上高の5.3%)と、現時点での売上規模は大きくないものの、中期経営計画「Vision 2027」では2027年12月期に売上高20億円への拡大を目指すなど、戦略的に重要な位置付けとなっている。 (1) クラウド型運行管理システム「KITARO」 ITサービス事業の中核を成すのが、サブスクリプションモデルで提供する「KITARO」である。同サービスは、2018年に(株)オークネットから事業承継したもので、車両に搭載した専用端末から得られる位置情報や走行データなどをリアルタイムで収集・分析し、運行状況の可視化、業務効率化、安全運転支援を実現する。主な機能として、リアルタイムでの車両位置確認、走行履歴や日報の自動作成、危険運転の検知・警告、2022年4月から義務化されたアルコールチェックの記録・管理機能などがある。 ターゲット顧客は、運送業、建設業、卸売・小売業など、営業や配送で多くの車両を保有する事業者である。導入により、動態管理による最適な配車、日報作成の自動化によるドライバーの負担軽減、危険運転の把握と指導による事故防止、燃費改善によるコスト削減といったメリットを享受できる。ビジネスモデルは、車両1台ごとに月額利用料が発生するストック型の収益モデルであり、安定的な収益基盤となっている。 近年の業況としては、物流業界における「2024年問題」への対応や、アルコールチェック義務化などを背景に需要が拡大している。2025年12月期中間期末時点での契約台数は9,250台に達しており、期末の目標10,000台に向けて着実に増加している。今後は、デジタルマーケティングを活用した認知度向上や、さらなる契約台数の増加を企図した大口顧客へのセールス強化を進める方針である。また、2025年8月には、顧客からの要望が多かった任意のタイミングでの動画取得機能(ドライブレコーダー連携)をリリースするなど、継続的な機能拡充にも努めている。 (2) 中小企業向けDX支援サービス 同社は、システムサービス事業及び「KITARO」で培ったクラウドサービスのノウハウを生かし、中小企業が抱えるIT人材不足やデジタル化の遅れといった課題を解決するためのサービスも展開している。 主力の「まるっとアクシス」は、中小企業の様々なIT関連業務を月額定額で代行するサービスである。IT資産管理、ヘルプデスク、セキュリティ対策、データバックアップ、さらにはWebサイト制作や勤怠管理システムの導入支援まで、企業のIT部門が担う業務を幅広くカバーする。専門人材の採用が困難な中小企業にとって、低コストでIT部門のアウトソーシングが可能な点が大きなメリットとなっている。 また、「ITサポート」サービスでは、より具体的なDXコンサルティングを提供する。企業のIT担当者に代わり情報システムの維持・運営を行う。システムサービス事業で培った高い技術力とコンサルティング能力が、本サービスの強みとなっている。 直近の業況としては、自治体のDX推進事業への参画や、地域金融機関との協業案件が順調に進捗しているほか、企業内IT部門のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)案件の獲得も進展している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎) 《HN》 記事一覧 |